エネオス、和歌山の製油所を閉鎖 なぜ?




 

エネオス、和歌山の製油所を閉鎖へ

 

石油元売り最大手ENEOSホールディングスは2022年1月25日、和歌山県有田市にある和歌山製油所を2023年10月をめどに閉鎖すると発表しました。

石油製品の需要は将来減るとみられ、生産拠点の統廃合による効率化をめざします。

 

大田勝幸社長は「人口減少、脱炭素化の流れ、車両の電動化など構造的な要因により、石油製品の内需の減少は避けられない」と述べました。

エネオスは19年の計画で、国内の石油製品の需要は40年に半分になるとみている。

脱炭素が加速して想定以上に需要が減る可能性があるとし、「今回の停止が最終ラウンドとは考えていない」と述べました。

今後も、生産拠点のさらなる統廃合も検討するそうです。

 

2001年に全国で36カ所あった製油所は、2021年3月末時点で21カ所に減っています。

 

約450人の従業員は、配置転換などで雇用を継続するそうです。

敷地の活用方法は今後検討するそうです。

 

 

 

和歌山製油所

 

和歌山製油所は、エネオスの前身の一つである旧東燃ゼネラル石油系の拠点です。

1941年に東亜燃料工業和歌山工場として操業開始しました。

1945年の空襲で壊滅状態になりましたが、1950年に操業を再開しています。

1989年に東亜燃料工業が東燃に社名変更。

2000年に東燃とゼネラル石油が合併し、東燃ゼネラル石油が発足し、同社の和歌山工場となります。

 

2017年、 東燃ゼネラル石油がJXエネルギーに吸収合併され、JXTGエネルギーの和歌山製油所となります。

 

2020年、JXTGエネルギーがENEOSに社名変更。

 

 

 

和歌山県知事がENEOS本社で社長に直接要請

 

和歌山県の仁坂吉伸知事は石油元売り大手のENEOSが和歌山製油所の閉鎖を決めたことを受けて、東京の本社を訪れ社長に直接、雇用の維持を要請しました。

 

「次の展望も示さないで閉めますというのは、その地域に死ねと言っているのと同じ。和歌山県は雇用を守っていただきたい」と訴えたそうです。

 

和歌山県有田市での雇用、税収が、ほぼエネオスだそうです。

 

従業員だけでなく、下請け工場など・・・

 

雇用がなくなると、過疎化などの問題も深刻になってきます。

同じような問題が青森県でもおきていますね。

 

 

 

 

 

 

和歌山製油所

 

所在地:〒649-0393 和歌山県有田市初島町浜1000

操業開始:1941年

敷地面積:248万m2(75万坪)

原油処理能力常圧蒸留装置:127,500バレル/日