パチンコ店運営の「(株)ガイア」 倒産なぜ?

パチンコホール 過去最大の倒産
東京都東京都中央区にあるパチンコホール運営の(株)ガイアは、2023年10月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けました。
負債総額はガイアが850億9562万円(2023年5月期決算時点)、グループ7社合計約1600億円(各社の決算期時点)
パチンコホールの倒産としては、過去最大の倒産。
(株)ガイア
1984年9月 千葉県千葉市に永豊企業有限会社を設立。
1984年12月 同地区にて第一号店パーラーオープン
「GAIA(ガイア)」の店名で展開する大手パチンコチェーン。
パチンコ店「ガイア」、「メガガイア」、「ガイアネクスト」などの屋号で全国に167店舗展開(2018年5月末時点)
ガイア屋号の他、「アイオン」、「サイバーパチンコ」、「サイバースロット」、「レクス」、「アラジン」などがある。低玉貸し専門の「らくらく館」を展開しています。
ゲームセンター大手のアドアーズは「その他の関係会社」です。
積極的な店舗出店で業界大手まで成長し、2006年5月期には売上高5853億500万円をあげていました。
以降は、遊技人口の減少や分社化の影響に加え、2011年には元社長が覚せい剤取締法違反の疑いで神奈川県警に逮捕されました。
さらに2012年には東京国税局からグループで所得隠しを指摘されるなど相次いで報道され、業績も2017年5月期は売上高2873億6500万円まで落ち込んでいた。
以降は、稼働率向上の対策や遊技台、不動産の販売などで売上は増収へ転じ、2019年5月期は売上高3208億6579万円をあげていました。
しかし、金融機関からの借入金に依存した資金繰りが続くなど、財務内容の改善を急いでいました。
こうしたなか新型コロナウイルス感染拡大後は、来店客数の減少や店舗休業などで売上が急減しました。
金融機関への支援要請や店舗売却(2023年5月末時点で全国83店舗)、公租公課の分納などで資金繰りを維持していましたが、業績回復が遅れ、2023年5月期は売上高1895億4291万円と減収が続き、グループ向け貸付の引当金計上などで65億7538万円の赤字を計上しました。
電気代の高騰など資金負担が重くなったことで、資金繰りが悪化しました。
資金調達の遅れなどから2023年10月2日の決済が不調となり、2023年10月31日の手形決済が見通せず、今回の措置となりました。
なお、同日にJトラスト(株)と関係会社などととスポンサー支援にかかわる基本合意を締結。
今後、同社の支援を受けて、パチンコホールの営業は通常通り継続する意向です。
民事再生法の適用を申請した(株)ガイア関連会社
(株)ジャバ
2001(平成13)年8月 設立
負債105億9601万円(2023年5月期決算時点)
(株)MG
2017(平成29)年2月 設立
負債166億6026万円(2023年3月期決算時点))
(株)トポスエンタープライズ
1997(平成9)年4月設立
負債85億4090万円(2023年5月期決算時点)
(株)ユナイテッドエージェンシー
2004(平成16)年10月 設立
負債88億232万円(2023年5月期決算時点))
(株)ガイア・ビルド
2005(平成17)年1月設立
負債141億2376万円(2023年5月期決算時点))
(株)MG建設
2007(平成29)年4月設立
負債171億8100万円(2022年3月期決算時点))
パチンコホール倒産 負債額上位
負債は(株)ガイアが約850億円。
ガイア7社合計で負債額は、約1133億円。
(株)ガイアの負債はパチンコホール運営業者として過去最大となります。
倒産年月 | 商号 | 都道府県 | 負債額(単位:百万円) | |
2023年10月 | (株)ガイア | 東京都 | 民事再生法 | 85,000 |
2006年11月 | 高山物産(株) | 京都府 | 会社更生法 | 71,848 |
2007年4月 | (株)ダイエー | 福島県 | 民事再生法 | 63,600 |
2005年6月 | (株)天神興産 | 福岡県 | 民事再生法 | 33300 |
2003年12月 | 大阪アストリア起業(株) | 大阪府 | 民事再生法 | 25,000 |
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