洋菓子・和菓子製造販売 (株)FRT企画 倒産




 

洋菓子・和菓子製造販売 (株)FRT企画 倒産

 

福岡県福岡市にある洋菓子・和菓子製造販売の(株)FRT企画が、2023年1月10日、福岡地裁より特別清算開始決定を受けました。

 

負債は現在調査中。

 

 

(株)FRT企画

 

1905年(明治38年)創業の老舗菓子製造会社。

1949年2月に石村萬盛堂の商号で法人改組。

 

主力商品であるマシュマロ菓子の「鶴乃子」、鶏卵を素面のように仕上げた「鶏卵素麺」などの和菓子、バウムクーヘン生地をキャラメリゼさせた「ブリュレドサンク」、唐津レモンを使った「レモンケーキ」といった洋菓子を製造・販売していました。

九州各県に直販店やFC店を展開し、和菓子は「石村萬盛堂」、洋菓子は「ボンサンク」で販売するほか、百貨店や空港、高速道路のサービスエリアなどの売店にも卸していた。

3代目の石村善悟氏は「ホワイトデー」の発案者でホワイトデーの起源となるマシュマロデーを考案したことでも知られているそうです。

和菓子にとどまらず洋菓子など幅広い菓子類を取扱い、経営の多角化に取り組んできました。

店舗形態も和菓子専門の「石村萬盛堂」をはじめ、洋菓子の「ボンサンク」、和洋併設郊外店「いしむら」などを出店。

 

フランチャイズ店も展開し、多様なニーズ・地域に対応して業容を拡大していました。

 

ピークとなったのは、2007年6月期 売上高75億781万円。

 

しかし、近年は同業他社との競合に加え、大手コンビニチェーンのスイーツの品質向上もあり、厳しい業況に陥っていました。

このため、2008年6月期中より金融機関主導による再建に着手し店舗のスクラップアンドビルドなどを実施しました。

 

2017年6月期には約3億5500万円の赤字を計上し、債務超過額が拡大しました。

2019年6月期には10店舗以上を閉店したこともあり、売上高は約39億3500万円にまで減少しました。

 

2019年11月には新宮工場を売却するなど再建に取り組んでいましたが、2020年に入り「新型コロナウイルス」感染拡大の影響により、業績がさらに低迷していました。

 

こうしたなか、(株)ふくやのグループ企業である(株)かわとしをはじめとするスポンサー企業の支援のもと、2021年9月に設立された(株)SEN企画へ事業を移管しました。

当社は2021年10月1日、現商号に変更し2022年11月15日、株主総会の決議により解散していました。

 

清算したのは旧事業会社であり、事業譲渡を受けた石村萬盛堂は現在も営業を続けています。