国内大手の畜産グループ 神明畜産(株)ほか2社 倒産




 

幼体や飼料価格、人件費の高騰、衛生面やアニマルウェルフェアの強化などで経費が増大‼

さらに2022年7月に神明畜産(株)が経営する栃木県の養豚場において豚熱が発生!?

 

 

 

国内大手の畜産グループ神明畜産(株)ほか2社 倒産

 

東京都東久留米市にある国内大手の豚・牛畜産グループ・神明畜産(株)と関連の(株)肉の神明共栄畜産(有)が、2022年9月9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けました。

 

負債は、神明畜産が債権者181名に対して294億5600万円、肉の神明が債権者107名に対して208億400万円、共栄畜産が債権者58名に対して72億900万円で、3社合計574億6900万円。

畜産業としては(株)安愚楽牧場に次ぐ、過去2番目の大型倒産。

 

 

 




 

 

神明畜産(株)

 

国内大手の豚・牛畜産業者。

 

1955年(昭和30年)5月に創業した養豚業を、事業拡大に伴い対外信用と税務面を考慮して、1967年(昭和42年)5月に法人改組しました。

神明牧場」として展開し、豚や牛などの畜産から加工、販売まで手掛けていました。

複数のグループ企業を有し、栃木県那須烏山市の生産事業本部、北海道の釧白食肉コンビナートなど、北海道、東北、関東、中国、九州で牧場やファームを運営していました。

 

飼育数日本一を目指して事業を拡大させ、1997年3月期に売上高218億2700万円と初の売上高200億円超えを達成。しかし、2000年代初頭のBSE(牛海綿状脳症)問題による業界全体の低迷で、2002年3月期は売上高136億2400万円まで落ち込みました。

その後、養豚場の設備拡大を進め、2018年3月期には売上高249億5100万円をあげましたが、相場の下落などで採算は低迷しました。

さらに、コロナ禍による外食産業の不振の影響を受けるなど、事業環境が悪化していました。

こうしたなか、飼料の高騰などで資金負担が増していました。

また、2022年7月に神明畜産(株)が経営する栃木県の養豚場において豚熱が発生し、場内全ての豚について殺処分を余儀なくされたことで、資金繰りが悪化しました。

殺処分を余儀なくされたことなどから資金状況が悪化し、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けました。

スポンサーを選定し、その支援の下再建を図ることとなりました。

 




 

(株)肉の神明

 

販売会社として、豚や牛などの食肉を販売していました。

1977年(昭和52年)10月に設立し、牛肉、豚肉を中心とした食肉の卸・小売りを手がけていた。

大手食品会社やスーパー、飲食店などを販路に持ち、1997年3月期には売上高312億1200万円をあげていました。

しかし、神明畜産と同様にグループ全体の経営が悪化していました。

神明畜産(株)に連鎖する形となりました。

 




 

 

 

共栄畜産(有)

 

1972年(昭和47年)5月に設立し、肉用牛の生産を手がけていました。

神明畜産(株)に連鎖する形となりました。

 

 

 




 

 

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