青森の老舗ホテル「山のホテル」 倒産
青森県弘前市にあるホテル経営の「有限会社山のホテル」は、2023年1月17日までに事後処理を弁護士に一任し、自己破産申請の準備に入ったことが明らかになりました。
創業350年の旅館。
負債総額は約5億円の見通し
有限会社山のホテル
1674年創業。
1981年に設立。
創業は同温泉郷が開湯したとされる約350年前に遡る老舗で、マタギだった6代目館主が開発した「マタギ飯」やなべ料理が名物として知られていました。
しかし、近年は客数の減少や施設の老朽化に加え、さらに、2022年12月末から嶽温泉郷における源泉の温度や湯量が減少していることや、新型コロナウイルス感染症の影響も重なり資金繰りが逼迫したため、事業継続を断念し自己破産申請の準備に入ったようです。
所在地:〒036‐1345 青森県弘前市常盤野字湯の沢19
嶽温泉郷

青森県弘前市の嶽温泉郷は、岩木山麓の名湯として知られ、350年の歴史があり、6軒の旅館が立ち並ぶ人気の温泉街です。
そのうちの「小島旅館」では、2022年12月28日から温泉の温度が低下する現象が発生し、通常なら41℃~42℃で供給されるはずの湯の温度が、36℃前後まで低下してしまったということです。
嶽温泉郷では、温度の異なる4つの源泉をブレンドして、各旅館に供給しています。
源泉の温度を確認したところ、一番熱い80℃の源泉が約50℃まで低下し、湯量は毎分200ℓから40ℓまで減少していました。
「小島旅館」の小嶋庸平代表は、配管のトラブルを疑い、配管の復旧工事を実施しましたが、配管に異常はなく、トラブルの原因は不明だということです。
嶽温泉郷の6つの旅館のうち、3つが休館へと追い込まれています。
嶽温泉旅館組合は雪どけを待って、残りの3つの源泉を確認するようです。
小島旅館
所在地:〒036-1345青森県弘前市常盤野湯の沢20
日本の温泉に異変が!?
嶽温泉郷のような温泉の異変は全国で相次いでいるそうです。
長野県千曲市・佐野川温泉
長野県千曲市・佐野川温泉の温泉施設「竹林の湯」では、2004年は毎分55ℓあった湯量が、2019年には26ℓと半分以下になり、2022年11月下旬からさらに湯量が減少したため、現在は休業中です。
北海道倶知安町
北海道倶知安町では、2016年~2019年にかけて、温泉井戸の水位が15mも下がったことが分かっています。
大分県別府市の竹瓦温泉
大分県別府市の竹瓦温泉では、源泉の温度が下がり、過去60年で9℃も低下したということです。
原因は、これから調査していくようですが、戦後、温泉が増え、くみ上げすぎたのが原因では?という専門家もいるようです。
東日本大震災後、枯渇した温泉もあるようです。
温泉が増え続け、くみ上げすぎたのが原因なら、コロナ禍で温泉が閉店していっているのも何か意味があることなのかもしれませんね。